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あの写メを流されたら―――学校裏サイトになんかでも流された日には、私はきっと生きていけなくなってしまうだろう。
そう、だから、さっちゃんは中島君と仲を深めてしまったのだ。
先輩だけは、気づいてくれた気配だけど。
先輩、と想いが過ぎる。
―――今からまた乱暴されるだろうと思うと、その恋心がしくしくと疼いて、どうしようもなく、恐怖を上回るくらい苦しかった。
あんな風に、男の人に乱暴されて。
それでも私は先輩を好きになっていいのだろうか。
―――アレがトラウマになって、男の人を、好きになれないなら、良かったのに。それで先輩を嫌えたり、怖くなれたら、それで良かったのに。
でも、そうじゃなかった。
先輩から遠ざかろうとしても、中島君に『協力』している立場上、私はさっちゃんの友達だったし、そうなると、先輩と関わる機会も多かった。
あのとぼけたような顔を見るたびに、胸の奥が苦しかった。
先輩から逃げられもせず。
ずっと、胸の奥で、この心を隠してる。先輩に絶対に知られたくない部分。
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