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先輩の馬鹿。
御願い。嫌いにならせてください。
だったら、こんなに苦しまなくて済むのに。こんな時にまで、私を苦しめている先輩。
先輩が恋しいから、こんなにも、乱暴されることが怖いのに―――その恋心さえから、逃げることさえも出来ない。
「さて、また『撮影会』を行わせて頂きましょうか?」
中島君が一歩近づいてくる。「嫌っ…」という言葉が、反射的に喉の奥から漏れた。
せめて。
せめて―――その心だけは、消したくなかった。
背を向ける。駆けだそうとする。
鋭い声が飛んだ。
「一切の容赦なく、逃さないでくださいね!」
中島君が叫んだ直後。
執事の一人が、突然、倒れた。
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