夕陽は落ちて

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~~ ―――俺は怒りの頂点にあった。 話は大体聞いていた。 よって俺の行動は決まり切っていた。 背中に鬼が憑いているかのように、怒りが全身を駆け巡る。口から漏れるのは、灼熱のような息だった。グツグツ煮え返った頭が、最早考えることを要していない。 ぼろりと涙を流す可愛い後輩。 優しい表情をかけてあげられなくて申し訳ない、そんな感情だけが一瞬で去来する。が。 「倒せ」 中島の指示一つの後、戦いの火蓋が切って落とされる。 敵は執事。数は三。 自慢の拳を握りこんだ。 上等。 教えてやろうじゃあないか、破神流の力を。 貴様らが如き下衆を蹴散らすために―――俺の力は今在るのだ。
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