95人が本棚に入れています
本棚に追加
夕闇の中に一人がぶっ飛んでゆく。
余りにも想定外すぎる威力に後ずさったもう一人。
逃すか。
「ハッッッッッッ!!!!!!」
弾ッッッ、と踏み込む。地が震え、自分自身の声に血が震えた。
鉄山靠(てつざんこう)をマトモに浴びせた。
素人目からすれば、背中からのタックルに見えたろう。
元は八極拳の技である。
一切の容赦はしていない。背中越しに、ぐしゃりと肋骨全てが叩き折れる嫌な感触があった。「ぐえッ」と、潰れた蛙のような悲鳴を上げ、執事が血を吐いて夕闇の空に飛んだ。
二人を瞬時にダウン―――というか明らかにオーバーキル。
最初のコメントを投稿しよう!