序章

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教室を後にした。 胸糞の悪い気分だけが残った。 今日はどうやらツイてないらしい、それだけを思った。 「―――何か忘れてるコトねえかな」 宿題を忘れてたとかそういうことはないだろうか。 ツイてない日はツイてないのである。 リノリウムの廊下を歩きながら、時間割を思い出して、果たして英語の予習をしそびれていることを思い出した。 「(―――やっておかないとな)」 それだけ呟いて、どうやらモテ期が来たらしい妹の兄は、誰も居ない自分の教室へ向かっていった。
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