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ローブの男はミーナと歩いてる間喋ることはなく常に無表情だった。
「うぅ…シェスカ…エミー…イルミ…」
「……」
ミーナは殺された友達を思い返し涙を拭きながら歩いていたが男は振り返りもせず黙々と歩く。
他人の感情など自分には関係ないといった感じだった。
しばらく歩いてるとようやくミーナの家に着いた。
「…着いたぞ。」
「あり…がど…ござ…い…ます…」
「いつまで泣いてる。…友達のことは忘れた方がいい。辛いだけだ。」
「忘れられる訳ないでしょ!」
ミーナは男の心無い返しに大声でいった。
「あなたさっきから何なの!?悪魔の心臓食べたり、私が悲しくて泣いても声ひとつかけない。おまけに殺された友達を忘れた方がいいですって?ふざけないでよ!あなたに何が分かるのよ!」
「どーしたのミーナ。夜中に大声出して。」
ミーナの大声で玄関から母親の声が聞こえてきて、はっと我にかえるミーナ。
「…そーだよな。人間は普通、簡単に人のこと忘れられる訳ないよな。悪かった…」
そう言い残し男は左手を前に出すと目の前の空間が広がり、彼はその中に入って姿を消した。
「魔法…使い…?…初めて見た。…だめ…なんか急に頭が…」
ミーナはそのまま意識を失ってしまった。
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