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2人は外に出ると、空はすっかり薄暗くなっていて、シドはそろそろ帰ろうとしていた時。
「あなたは人の心を救える人になりたいって答えたけど、そうなる為にあなたはこれからどうしていくの?」
すると帰ろうとしたシドは足を止め、再び私の方に顔を向けた。
「僕はシルフで国王直属の魔導兵をしています。そこでなら、王を守りつつ国の人達をいつでも守れるので。」
「魔導兵…決めた!」
「何をですか?」
「私も魔導兵になってみるわ!」
自分でもこの唐突な返答が意味分からないと実感している。
けれど、この男のやってる事を私もしてみれば心の強さに対して少し理解出来るかもしれない。
この時はこの理由でシドに言ったが、本当の理由はどうだったのか後になってやっと気付いたのだった。
そして私は10歳の時に魔導兵になる為、南の大国シルフに行くことに決めた。
父に理由を話すと、凄く安心した顔になり快く承諾してくれた。
けれど私は想像もしなかった。
そこで待ち受けるのは、これ以上の無い絶望と大切なものを失う悲しみだった。
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