25人が本棚に入れています
本棚に追加
それからシルフ王はフィナ達を連れて洋服を買ってあげたり、食事のためにレストランへ連れて行ったりした。
もうここまで来ると王の護衛というよりは子供に何でも買い与える気の良いおじさんみたいだった。
そして時刻は夕方。シルフ王は2人を連れて王宮へ戻る事にした。
大量に買い与えてもらった2人は両手一杯に沢山の荷物を持って王宮に戻る。
「今日は護衛の任務ご苦労だった。荷物は重いだろうから今日はそのまま自分の部屋でゆっくり休みなさい。では、また明日の任務も頑張るんだぞ。」
そう言ってシルフ王は他の魔導兵に囲まれて自身の王室間に戻ろうとされた。
「シルフ王。本日は突然休暇を取られた為、明日からはこの議会があって、それから…」
「ハァー、やれやれだ。」
スケジュール管理をされてた側近の者に言われ、思わず溜息を吐くシルフ王。
どうやら今日は自身の仕事を休みにして外出したらしい。
トホホとした顔でトボトボと歩いて行く背中を見ながらシドが突然。
「シルフ王!今日は何故我々にこの様な褒美を頂けたのですか!?」
自分の仕事を休んでまで自分達に良くして貰える覚えがない為、シドはその疑問をシルフ王に直接聞いた。
するとシルフ王は後ろの2人の方を振り返り。
「言っただろ。今この時を大事にして欲しいって。私が今日お前達にしたかったのは、この国の良さを見せたかったからだ。今日は楽しかったか?」
「そ、それは勿論です。あ、いや…今日は護衛なので楽しいって言うのは…」
「よいよい、そう思えたのなら今日は休暇を取って本当に良かった。お前達はまだ11になったばかりなのだから楽しまなきゃ損!…では、今日はゆっくり休むのだぞ〜。」
そう言ってシルフ王は王室間に戻って行った。
残された2人はそのまま自分達の部屋へ戻ろうとした。
「今日の絶対護衛じゃないよね?」
「本当に。でも、今日は街の色んな所に行けて楽しかったな。」
「本当に!最初に食べたジェラートやレストランで食べたパンケーキというのもまた食べたい!」
「そうだね!じゃあ、今度休みの時とかに一緒に行こうよ!」
「うん!そうね!他にも行きたいお店とかも見つかるでしょうしね。じゃあ、私はこっちだからまた明日ね!」
フィナはそう言ってシドに別れを言って別の通路を歩いて行こうとした。
最初のコメントを投稿しよう!