第16話 認めてもらう為に

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そして、あれから3年が経った。 フィナ達は体も少し大きくなり、1年ほど前に見習いから正式な魔導兵となった。 正式な魔導兵になった事で今までの王宮周りの巡回や雑務から一変し、最近では国外調査など遠征に出る事が多くなった。 この頃から世界の情勢は3年前に比べると大きく変わっていた。 それは北の大国であるウンディーネと東の大国ノームがもしかすると戦争を引き起こす可能性があったからである。 一応四大国同士で不可侵条約を結んでいるが、戦争を引き起こしそうな理由として、北の大国ウンディーネが自身の国で生産された兵器の試し撃ちを東の大国付近に向けて放ったからである。 撃ち込まれた場所は東の大国から距離は500kmほど離れているものの、まるで他国を挑発してるかの行為に近かった。 その為、四大国の王達はその当時の中立国であるキュアリーハートに出向いて、度々議会が開かれていた。 その度に北の大国へ警告するも、兵器の性能を図るもので攻撃の意図がないと言われるだけである。 それに対して東の大国の王が怒るも北の大国は警告を受け入れず、一触即発の状態であるこの二国を私たちのシルフ王や西のイフリーク王は宥めてやり過ごす事が多かった。 シルフ王は最近になって多忙を極めており、少し顔がやつれてる様な感じがした。 そして今回私達の国外調査とはウンディーネが万が一、東の大国へ撃ち放たないか東の大国付近で待ち構えていた。 そしてやはり北の大国は東の大国付近に目掛けてミサイルの様な物を放った。 北の大国は軍事国家で魔法を軍事転用しており、このミサイルには高魔力のエネルギーが詰め込まれていた。 今回のミサイルは今までよりも東の大国に近い距離で放たれた為、フィナとシドの2人の力でミサイルを止めた。 フィナが"陽"の力でミサイルの速さを遅くし、シドの空間魔法でミサイルを上空に閉じ込めたまま地上に落ちない様にした。 この様にミサイルを対処していけば余計な脅威に晒されないと思い、北の攻撃を阻止し続けた。 しかし、後日にまた四大国の王達は呼び出された。 その議会の内容が、まさかの北の大国からの警告である。
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