第16話 認めてもらう為に

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内容はこうであった。 「我らの国の兵器性能を図る行事を南の大国の兵士が妨害した。他国の行事を妨害しないで欲しい。この様な国際問題が起き続けるのであれば全面戦争になっても仕方がない。」 あまりにも自己中心的な北の大国の主張に対し、他の三大国はそれぞれ反論するのであったが中立であるキュアリーハートの王はこれを制止した。 そして決まった事が、他国は今後一切の北の兵器に関与せず、また北は決して大国へ矛先を向けない事を議会で決定した。 そしてその議決によってフィナ達も東の大国への遠征が無くなり、大人しく南のシルフへ帰還した。 今回の議決を聞いた2人は、北の大国のあまりの主張に怒りを表していた。 「本当にどういう思考してるの、北の大国って言うのは!?あんだけミサイルぶっ放すあんたらが悪いんでしょ!?」 「本当に。どうかしてると思う。」 帰りの道中、2人は自身の馬に乗りながら納得のいかない愚痴を吐露していた。 「結局軍事力のある国には他国も強く出られないんだろう。」 「そうなった時は私達の力で何とかするのに。その為の抑止力じゃない、私達は。」 「…国同士の問題って力だけでは解決出来ない気がする。それこそ戦争なんて避けたいよ僕は。」 シドは悲しそうに言い、フィナもそれを見てそれ以上何も言わなくなった。 そして。 「…帰ったらジェラート食べに行かない?」 「えっ?」 突然シドに言われ戸惑ったが、久しぶりに食べたかったのですんなりとオッケーした。 帰還してから王宮へ寄り、現在シルフ王は不在である為、上司の魔導兵に報告してから2人は城下町の方へ行った。 そして、初めてシルフ王にジェラートを買ってくれた店に行った。 「いらっしゃい!おぉ、これはあの時の!フィナにシドか!デカくなったなぁ!」 相変わらずここの店主は大柄で大きな声だった。でも、変わらず気の良い店主のままだった。 「いやー、最近お前達遠征にばかり行ってるだろ?俺の店なんか忘れてしまったらどうしようかと思ってな!」 「ハハ、忘れるわけないですよ。ここのジェラートの味と店長の事は絶対に。」 「お、良い事言ってくれるなシド!なら、今日はサービスで特大にしてやるよ!」 そう言ってシドのジェラートはフィナのより2倍ほど盛られた物を渡される。 早く食べないと溶けそうだな。
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