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何としてでも国民を助け出さなければと思うが、私には仲間がいない。
皆んなハイドの意思を与えられた奴隷になってるからだ。
1人では何も出来ない。そんな事を思っていた所にシルフの魔法騎士団である1人がフィナに声を掛けた。
「あなたは、フィナ様ですか?」
「魔法騎士団の方ですか。私に何のご用ですか?今は見回りの任につき、あまり長居は…」
「あー、やっぱりフィナ様も操られてたのかぁ…くっそぉ!」
「えっ、あなた意識があるのですか?」
「はい!…え、てことはフィナ様も?」
フィナの会話の流れに沿って臨機応変に対応が出来ている。やはりこの人は操られていない。
「あなたはやはり操られてなさそうね。」
「物分かり早いっすね。でも俺はびっくりしました。みんな丁寧な話し方だから、もしかしたら操られてると思って…」
「私は基本他人に対して敬語で話しますよ。けど、私があまり長居出来ないのは確かよ。要件があるなら聞きます。」
「はい。今我々は仲間を探してます。今日任務が終わったら我々の所まで来て下さりますか?バグーラ団長からお話があります。…では。」
そう言って魔法騎士団の人は去っていった。
夕方、私は昼間私と話をしていた魔法騎士団の人に言われた通りそのまま魔法騎士団の方へ向かった。
門を開けるとそこには騎士団の団員達が奥で横に並んで待っており、その真ん中にはバグーラと呼ばれる団長が座って待っていた。
「よく来て下さりました。フィナ様。」
バグーラ団長。この方は4大国の騎士団の中で最も長く団長の任期を果たしている男。
年齢も70代とかなり高齢であるが、かつては"鬼騎士"という通り名がある程恐れられた人だった。
「あなたが操られていないという話を仲間から聞いて安心しました。…と、言いたい所ですが。あなたは今の国に対してどう思っておられますか?」
「私は、今のシルフは本来の姿ではないと思っています。一刻も早く、国民を元に戻してあげたいです。」
「やはり、昔のフィナ様ですな。ならば、我々はあなたに協力致します。その上で話さなければならない事があります。来なさい。」
一番端にいた魔法騎士団の男性がフィナの前に呼ばれた。
「フィナ様。お久しぶりです。私は2年前まで魔導兵であったティムスと言います。」
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