第1章 幼馴染の正体

2/2
前へ
/2ページ
次へ
ピピピピピ━━ 朝6時32分、俺は目覚まし時計の音で起きる。 目覚まし時計を止めようと伸ばした腕は不思議な感触にあたった。 翼だ━━。 なぜ俺のベットに翼が置いてある、いや、翼の生えた生物が居るのか全く覚えがない。 よく見ると人型の胴体を持っているようだ。 「おはよう、如矢君」 聞き覚えのある声だった。 「ん?あぁおはよう、怪音、お前どうしたんだ?朝からコスプレか?」 「うぅん、違うよ。実は・・・」 「実は?」 「・・・隠してたんだけど、私人間じゃないんだ、天使なんだ」 衝撃の一言だった、たっぷり10秒停止した俺の口から溢れた言葉は━━━ 「はぃ?」 いつもの悪ふざけを馬鹿にするような聞き返す言葉だけだった。 瞬間、怪音の右腕にひび割れのような赤い魔法陣がいくつも出現し、形を変えてゆく。 俺はどうしたらいいのか分からずただ呆然と眺めていた。 「如矢くん、お願い私を殺して、じゃないと私がこの街を、この世界を壊してしまう」 「えっいや、でも天使ってことは良い奴だろう?悪魔ではないんだろう??」 「うん、悪魔ではないよ、だけどね、天使が必ずしも善だとは限ラナインダ」 「怪音っお前、声がっ!?」 「ごメんね如矢君、辛い思イさセルケど私ヲソの槍で貫イて」 いつの間にか俺の手には長さ2mほどの槍が握られていて、青い電流が走っていた。 ━━━━俺に怪音を殺せる訳がないっ。 そう思っていたのに一瞬後には俺のベットは鮮血に染まっていた。 「嘘だろ・・・おい怪音、怪音!!」 「・・・ァリガ・・・。」 「おい、これ俺が殺ったのか・・・俺が怪音を?そんな馬鹿なっ」 ━━━━さよなら如矢君。 脳内に怪音の声が響く。 そして俺の右腕には青い魔法陣がいくつも描かれていた。 これが全てのはじまりだった。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加