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「そういえば。天気と言えば、私が話している間は天気が良かったのですが、その後すぐに空模様が悪くなってしまいましたよね!………今にして思えば、不吉過ぎます! そうは思いませんか?」
美味しそうなお菓子を見るようなテンションだな。
「最後の質問、良いか」
「はい、どうぞ」
「天神橋高校の今日の天気は?」
「ご自分でお調べになっては?」
そんなググレカスとでも言いたげな表情をするんじゃない。
「充電が切れそうなんだ。貸してくれ」
「ああ。でしたら、謹んで答えさせて頂きますね」
二拝二拍手一拝。
「恐み恐み申す。
【質問三回目】の答えは晴れのち雨です。
早朝だけ晴れて午前中には雨が降り始める事でしょう」
「そうか。それなら次でオリエンテーションは終点だ」
「何処に行こうと言うんです?」
「生徒会室。………一階だな」
まるで学校見学だ。
体育館から校舎を歩き、最終目的地に到着する。
生徒会室の扉をノックする。
眼鏡の生徒会役員が扉を開けた。
「一年生ですね。見学なら、ごゆっくりどうぞ」
中には数人の先輩生徒会役員と一年生の見学者が見える。
「生徒会長はいらっしゃいますか?」
「私が生徒会長の穂高 吉河(ほだか よしこ)だ」
奥から現れたのは色素の薄い女子生徒だった。
まるで黒と白の二色で出来たかのような白い肌に黒い髪だ。
色という色の感じられないモノトーンな印象で、少女というより女性っぽい。
スタイルが良いせいでスーツを着ていればOLでも難なく通りそうな艶やかな容姿に見える。
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