謎×弐『亡霊探しの放課後』

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 あの日の可愛らしかった千年はもういない。 『人の不幸を効率よく集めるために、新しい倶楽部活動を作りませんか?』  そんな恐ろしい言葉を、甘美な飴玉みたいに転がす。 『研究会か同好会スタートではありますが、倶楽部活動を作ることも出来るそうです。  名前は………そうですね。  仮に『学生秘密捜査研究倶楽部』、略して『秘密倶楽部』とでもしましょうか。  表向きは、学校内での覆面アンケート調査を元に、学生生活の改善を試みる慈善奉仕活動を主とした倶楽部活動として申請しておきますね』  神は死んだ。  哲学者の言葉にある通り、今やこの身は人魚が泡にならないための不幸集めを遂行する奴隷だ。  恋人関係を結んだ対価は、想像以上に大きな重責だった。
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