謎×弐『亡霊探しの放課後』

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「でね、この子がわんの友達ー!  助けてあげて欲しいんだよねー!」  放課後の教室に待っていたのは、眼鏡の金髪ドイツ人青年だった。  学ランがとてつもなくコスプレめいているが、天神橋高校の学生である。  ………遥々ドイツはハイデルベルクから本校へ転校して来たと聞く。 「(千年、名前知っているか?)」 「(貴方様、あの方は隣のクラスのJohann Georg Faustさんです)」  耳打ちされた発音が良過ぎて聞き取れなかった。  ヨハン………何? ファスト? 「どうも、こんにちは。  私はJohann Georg Faustデス。  皆待ってるでした」  無念。やはり流暢過ぎて名前が分からなかった。 「ヨハン君は日本の文化が好き過ぎて日本留学したんだよ!」 「Ja! メグミさんはCool Japanデス!」  やー? 「Ja(ヤー)はドイツ語のYESだそうです」 「そう、なのか?」 「『クールジャパン』はヲタク文化の海外での尊称………のようなものでしょうか?」
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