非日常返却

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真っ白な肌と、それに対比する真っ黒な髪と瞳。 鼻筋が通っていて目も大きい。 真っ黒なパーカーにこれまた真っ黒なスキニーパンツという、全身真っ黒ファッションだけど、高身長でスタイルも良いため、モデルのようにそれを着こなしていて違和感がない。 芸能人?? そう思ってもおかしくない。 入口の前を通り過ぎる人達もみんなチラチラと見ている。 きっとみんな私と同じことを考えているのだろう。 だってそれほどまでに端正な顔立ちをしているのだから。 でもまあ、ごく普通の人生を歩む私にとってはこんなイケメン見れただけで得した気分になるだけで、関わることなんて有り得ないんだけどね。 そう思い、私は気にせずにイケメンを素通りして入口へと向かおうとした。 「っ!!?」 けれどそれは叶わなかった。 なぜなら……。 「やっと見つけました、愛華様」 関わることなんて有り得ないはずのイケメンに腕を突然掴まれたから。
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