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 そう思っていたら、少し伸びてきた彼女の髪に、見慣れぬ髪留めがとまっているのに気が付いた。  蛍はいつも自分で器用に髪を纏めたり、編み込んだりして、これも掃除などの邪魔にならぬようにしている。  だが今日はちょっと乱れ目に編んだ編み込みに、ふんわりとシフォン地を膨らませた爽やかな青のリボンの髪留めがついていて。  リボンの中央には白い小花の造花とドロップのようなカボションが立爪の台座に収まって飾りになっている。  趣味の良い髪飾りだった。 思わず目を細めて眺めてしまうほどに。  ……珍しい。 それに、よく似合っている。  甘さと、落ち着き加減が抜群だ。 ジッと自分を見ている彼に、蛍が不思議そうな顔をした。  彼が己の髪を押さえて微笑み、髪飾りが似合っていると伝えた、その時だ。 蛍がほんのり頬を赤くして、肩をすぼめて笑い、衝撃の新事実を告げたのは。 「あァ、コレ……真柴君がくれたンです。 もうすぐ誕生日だって沙紀ちゃんから聞いたそうで。  美月ちゃんに買ったのに気に入らないッて突っ返されて、持て余してたヤツなんですって。  だから気兼ねなく使えって。  確かに、高校生にはちょっと大人っぽいですよねぇ?」    
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