始まりのとき

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その出来事は、突然 平日の始業前の携帯の着信音から 始まりました。 平成27年9月24日 午前 8:40 夫のスマホからの着信音。 仕事中だろうになんだろう? 私も もうすぐ朝礼なんだけどな。 そう思いながらも、電話に出ました。 もちろん、夫からの電話と思いながら…。 すると、電話の向こうの声は 「○○病院です。 △△さんのご家族ですか?」 私は、戸惑い 心臓がバクバクしながら 「はい、妻です。」と答えました。 すぐさま 「先生にかわります。」と… 「奥さんですか? ○○病院の医師の佐々木です。 ご主人が、倒れて 当病院に運ばれました。 くも膜下出血です。 直ぐに向かって下さい。」 先生は、そうおっしゃいましたが 私がいるのは 東京都の下町と言われる区内、 高校生の息子は すでに 授業が始まろうとしている時間帯です。 そして、主人が居るのは 東北 岩手県です。 私は、冷静にと自分に言い聞かせながら 先生に 「 息子に連絡し、落ち合い 新幹線で向かいます。上野駅から、新幹線の時間を 病院に連絡します。」 と、伝えました。先生は、病院は 釜石なのでと言い 新幹線・在来線の乗り継ぎ方法を、教えて下さいました。 その後の、私の行動。 ① 息子の高校に連絡し 担任の先生を呼んで頂き、主人が倒れたので 息子に 母親(私)の、携帯に連絡するようお願いし、直ぐ様 息子から着信。 父親が、岩手で倒れて 病院に救急搬送された事。 二人で上野駅で、落ち合って 現地病院に向かうことを伝え、 調べてみると 新幹線→在来線の乗り継ぎで一番早く 病院に着く事ができる上野発まで まだ時間があるので、家で飼っている うさぎに 取り合えず 3日分の餌と牧草、水を与えて 制服から私服に着替えて、戸締まりをし 家を出る際に 連絡するよう伝えました。息子の高校と自宅は、地下鉄で30分前後ですので、このようなやり取りが出来た訳です。 ② 主人の両親に、連絡。 まず、 私と息子が向かうので 状態が分かったら連絡しますと、伝えました。 両親ともに、80歳台ですので あわてて、飛び出したら 怪我をするかもしれない。そう思ったからです。 ③ 主人の東京での本社に連絡し、直ぐに 医療の負担限度額証の発行をお願いし、 まず岩手の病院にファックスをして頂くようお願いしました。
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