夫の状態

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釜石の病院に着き、病棟で先生の病状説明を受けました。 くも膜下出血であること、この病院では 手術が出来ないので 明日の朝 8:30 救急車で、岩手の大学病院に搬送すること。 大学病院の脳神経外科の先生に、すでに連絡し 手術を頼んであることを お聞きしました。 今の状態は、一度破裂した動脈瘤にかさぶたが出来ている状況とのことで、再破裂を防ぐために 静かな病室で、部屋の電気を消し カーテンを締切り 真っ暗な中、本人はアイマスクをし 耳栓をして 極力 刺激を与えないように、しているとのことでした。 側に行き、声を掛けられるのは 私だけ。 息子が駆けつけたことで、自分の状況を知り 混乱すると良くないからだそうです。 真っ暗な、部屋に入り ゆっくり ベッドに近づき、小さな声で いつも呼んでいるように 「パパ」と声かけしますと、 少し 頭をこちらに向けました。 口元には、酸素マスク。 「大丈夫だから、 安心してね。」と声をかけ そっと、その手に触れ やさしく擦りました。 息子は、声を掛けずに 真っ暗な部屋の中 黙って 父親の様子を 涙をこらえて 見ておりました。
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