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ブーヨの皮膚が半透明から、人間の皮膚のようになってきた。頭がどこかは分からないが、天辺に毛が生え、手が生えてきた。次第に人間の体になってくると、裸のまま椅子に座った。政宗は、自分の上着をブーヨに渡したが、下半身は裸のまま、成人男性の形態になったので、変質者のようになってしまった。
見かねた荒川の部下が、作業服を与えていた。
「ブーヨなのか、ヒカリなのか?」
「どちらでもあり、どちらかではありません」
それでは新しい名前を考えなくてはいけないのかと、政宗が顎に手を当てる。
「ブーヒ…」
「名前はヒカリのままでいいです」
せっかく名前を考えたのにと、政宗が悔しがる。
「ヒカリ、記憶はあるのか?」
ヒカリは頷くと、機械に続きのデータを出してみせた。
「荒川さん、ヒカリはデータを取り込み、収集します。大切にしてやってください」
埋葬はできなくなってしまったが、これでも良かったのかもしれない。ヒカリは生きることができる。
「本当に面白い。やはり、欲しいかな…天然体」
荒川の言葉に、部下が政宗の前を塞いでいた。政宗が強硬突破しようと身構えると、荒川が首を振っていた。
「面白いから、少し、放し飼いにしておきますよ。このヒカリ?は危険なので、地球軍が保管しますけどね」
荒川の言葉に、部下が出口まで案内してくれるようだった。放し飼いなど、かなり失礼な言い回しであったが、そこは政宗も我慢していた。
しかし、分離したヒカリが、卵大になり、政宗の肩に座っている。これは、どうしたら良いのだろうか。
政宗は、兵士に出口まで案内されたが、そこは、民家どころか何もない場所であった。
「どうやって、帰ろう…」
茶屋町を呼んでみるか。
「送りますよ」
兵士がジープに乗せてくれた。
「あの、荒川幹部にたてついて生きているのは、本当に珍しいですよ」
荒川は、軍での役職についていなかったが、権力は持っていた。誰も、逆らう人間はいない。
「やっぱり、怖い人なわけね」
もう関わり合いたくはない。
途中ジープのハンドルがおかしかったので、政宗が整備し、ついでに自宅まで運転していた。
「ありがとう」
「こちらこそ」
和やかに地球軍の兵士と別れたが、自宅の玄関前に茶屋町が立っていた。
「地球軍ですね…」
腕を組んで政宗を見つめる茶屋町は、あきらかに怒っていた。声のトーンが低く、笑顔もない。
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