第三章 君の声

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 これはミサイルの図面であった。 どうして坂江が持っていたのかは不明だが、 このミサイルは攻撃用ではない。 細菌やウィルスが発生してしまった宇宙船は、 どこにも受け入れられずに全員死亡のケースもある。 このミサイルは、ワクチンや抗生物質を撒くものであった。  でも、何もミサイルで撃ち込まなくても、 無人機で渡せばいいだろう。 そこが欠点であったが、どこか坂江らしい。  ミサイルも医療に役立てられると、言いたいのかもしれない。  政宗はオウランドに戻ると、 エイタに何と切り出して良いのか、考え込んでしまった。
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