第三章 君の声

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「…ただいま」  誰も居ない自宅に入ると、自室に籠る。 エイタと会う勇気が無かった。 政宗は、エイタにかける言葉が見つからないのだ。  時計は完成させていたが、 骨で出来た長針と短針を小さなガラス容器の中に入れた。 丸いガラス容器の中で、小さく揺れているが、 保護のために液体が入っていた。 液体は、骨が割れるのを防いでいた。  政宗は時計と容器を持つと、一階へ降りた。 「茶屋町、二千翔さんに渡して欲しい。 それと、これをエイタに渡して良いか聞いて欲しい」  一階で、茶屋町は洗濯をしていた。 「一緒に渡しましょう、呼んでいますから」  政宗も洗濯をすると、キッチンに入り、 クッキーを焼いてみた。 紅茶も用意してみる。 一般女性は珍しく、何を出していいのか分からない。
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