112人が本棚に入れています
本棚に追加
/568ページ
カメドンが気になったと、
上原がオウランドにやってきた。
本当に、カメドン目当てだったらしく、
政宗の家に来ると、一日中カメドンを構い、
すっかりカメドンに嫌われていた。
「上原、メシ…」
「カメドン、かわいい」
政宗も横にしゃがみ込むとカメドンを見るが、
いかんせん目は今も包帯のままだった。
でも、音や匂いで、
だいたいの形や動きは分かっている。
政宗が手の伸ばすと、カメドンは自分から寄ってきて、
頭を政宗の手に擦りつける。
「カメドン、
夕食は何にする?」
カメドンの口が、パクパクと動く。
「ねずみか、分かった」
「肉食なの?」
うさぎの顔をしているが、
草食ではなく、肉食であった。
しかも、生餌しか食べない。
最初のコメントを投稿しよう!