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どちらかと言えば、
茶屋町はからくり時計の方が欲しかったが、
時宗が懸命に設計していたので、そうは言えない。
「どこから見ても、時計だね…」
時宗が嬉しそうに頷く。
この時計は、
厳密には、わずかな映像を映し出しているだけだった。
人間の脳が、その映像を時計として組立してしまうのだ。
「俺は目覚ましを作ったよ…」
レトロな目覚ましで、
ダイアル式と呼ばれた電話のような形状をしていた。
何の機能があるのかと、時宗が政宗に聞いたが、
回答は得られなかった。
「目覚ましは、貰っておく」
政宗が嬉しそうに持っていた目覚ましを、
茶屋町が取り上げる。
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