episode172 追放

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episode172 追放

裸で放り出された僕を 優しく包んだ上等なコート。 「二人同時に見つかるなんて」 手繰り寄せ 柔らかな生地に頬ずりすると笑いが零れた。 「何笑ってるんだよ」 美しい薔薇の君は人目を避けるように 僕の正面に屈み込み。 「僕の負け」 「そう、君の負けさ」 コートの前をしっかりと閉じると 二度と脱げないようにきつくベルトを締めた。
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