第1章 夢の枕

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ーーおかぁ・・・おか・・・。 片言の舌足らずな声が、女を呼んでいた。 ーーおかぁ、おかぁ・・・。 必死に呼ぶその声が、次第にかすれて、遠くなり・・・慌てて追いかけて追いかけて、女はようやく抱きしめた。 ーーかがりっ!! 愛しい我が子を深く胸に納め、ほっと安堵の息を吐き出した女はすぐに気づく。 ぬちゃり、ぬちゃり。 抱きしめたその手の平に、ぬめった厭な感触。 抱きしめた大事なものが、重く冷たくなる。 やがて悟る、動かない小さな身体。 ーーい、いやぁぁぁぁぁぁぁ!! 闇の中でうずくまり歎き続ける彼女を、『ソレ』は静かに見つめていた。
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