scene.4

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そんな見合い当日。 俺は仕事が忙しく、見合いどころではない状況だった。 父の会社であるにも関わらず、仕事量は果てしない。父親のコネ入社だろ、と騒ぐ連中に俺はため息がこぼれるが、コネなんて使っていないし、ちゃんと自力で入った結果だ。だが、面白く思わない上司は仕事を俺に押し付けるばかり。 (じき)に、会社は継ぐことになる。こんなんでつぶれる自分ではないと言い聞かせ、見合い当日は何としてでも仕事を終わらせて車を走らせた。 見合いなんて興味もないけれど、無視することも一瞬頭に浮かべてはすぐにかき消した。 一応大事な席だ、遅れてでも行こう。断るにせよ、会ってから決めればいいことなんだ。
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