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ウエイターが近づいてくると、それはもう何度も目にした人。
別に知り合いではないけれど、何度も利用すれば顔くらいは覚えられる、互いに。
「朽木様、いらっしゃいませ」
「来てる?」
「はい、ご案内します」
ウエイターが静かに案内してこの場を去ると、俺は既にそろっている人見る。
両親と向かい合わせに座る宮島家。
きっと奥に座っている女性こそ、自分の見合い相手、宮島綾乃さんであろう。
「すいません、お待たせしました」
父は、やっと来たかと若干呆れて、宮島の両親は少しテンションが高く
「まぁ!あなたが聡さんね?」と母親の方が興奮していた。
綾乃さんはと目を向けると、緊張しているのか、うつむいて顔があまり見えない。
そういえば、見合い写真見ておいてって母さんに言われて忘れてた。
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