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「.....止まってくれて、ありがとう」
なんだこいつ.....
俺を探るような目線を向けながらも静かに体ごと俺と向かい合う
「なんだこいつって言われても....俺自身もよく分かってないんだ なぜかキミを止めないといけない気がして....ごめん」
え!?
ソレは俺の言葉を聞くなり目がこぼれてしまうのではないかというほど大きく見開いた
「どうしたの...?」
....言葉、分かるのか!?
「え?うん
さっきだって独り言聞こえてたし.....」
何を言っているんだろうか
分かるも何も現に話してるよな今
.......そう
まぁなんでも良いけど、ボクに構わないで
用がないならもう行く
そう言うと、ソレは踵を返しまた路地へ進もうとする
「な、なぁ!!キミ、こんな雨の中何してたの...?」
.....別に関係ないだろ
ソレは雨に濡れた身体を少し震わせて、足を踏み出した
「ま、まって
あのさ........俺の家来ないか?
ほら、濡れてビショビショだし...
キミの家がどこかは知らないけど、そのまま帰ったら風邪引くよ...?
俺の家、そこだから」
俺はそう言って少し顔を上げすぐ右の家を指した
どれだけ周りを気にしていなかったのだろうか いつの間にか雨は止んでいた
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