0人が本棚に入れています
本棚に追加
「仕事、探すか」
鉄パイプを元あった辺りに投げるとそのまま来た道を戻っていく。先程の悲鳴は摩天楼に来たばかりで気分が浮かれているから風の音でもそんな風に聞こえてしまうのだろうと適当に理由づけていると、
「今日の朝刊だよー、銀貨一枚だよー、安いよー！」
と、言って通りを歩き回っている少女を見かけた。新聞なんてものがここにあったのかと驚きつつ、来たばかりなのだしどのようなことが書いてあるか見るのも悪くないと思って少女を呼び止める。
「おーい、こっちにも一部くれ」
「はーい、毎度ー。銀貨一枚くださいな」
「はいよ」
銀貨一枚と新聞を交換する。厚さを見る限り十枚分ぐらいはありそうで、これを読めば最近の情勢ぐらいはわかりそうだった。
「ありがとうねー」
手を振りながらそう言ってまた次に呼ばれた所へ向かう少女に手を振る。その生き生きとした様子からはきっと多くの人が活力を貰っているのだろうなとぼんやり思った。それはともかく、早速とばかりに新聞を開いてみると驚くべきか、それともやはりと
最初のコメントを投稿しよう！