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わず俺は後ろに下がって槍を構えかけたが、その女の動きは俺の予想を超えるものだった。
「どうか私を仲間にしてください!」
そう言って彼女は俺たちに土下座をしたのだった。
彼女にとりあえず頭を上げるように言うと、目から涙を流していた。一体俺たちが何をしたというのだ。
「とりあえず、何をそんなに必死になっているんだ。なんというか、こうなるに至った経緯を話してみろ」
そんな風に話を促すと彼女は涙を拭ってぽつぽつと話し始めた。
「私は、ミヤ、コ、って、ぐすっ、言うんですけど」
「ミヤか、わかった。一回落ち着け、深呼吸をしろ。そんな途切れ途切れに話されてもわからないだろう」
泣きながら無理に話をしようとするので思わずそう言った。少なくとも、このまま話をされても途中で聞く気が失せる。ミヤは数回深呼吸をすると多少落ち着いたようで、
「ミヤじゃなくて、京です」
と、さっきまでと比べて幾分はっきりした声で言った。
「その、実は借金取りに追われていて、お金が必要なんです。それでたまたま拾った新聞に載っていた調査依頼をやってお金を返そうと思って。でも一人だとどうにもできそうにないから仲間に
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