摩天楼に響く悲鳴

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「えっ? その、荷物持ちはいらないって言うし、さっきから私の体をじろじろ見てるし」 「話は最後まで聞け。荷物持ちはいらないが他のことが全くできないわけではないだろう。他の体力が必要な仕事を任せればいいだけだ、仲間にしないとは言っていない」 「じゃあなんで私の体をじろじろ見てたの?」 「筋肉の付き方を見ていただけだ」  嘘偽りなくそう答える。しかし、ミヤは全く信じていないようで、 「嘘だー、そんな視線じゃなかった、そんな視線じゃなかったよ!」 と、声を高らかに上げてそう言った。少しばかり腹を立てて何か言い返してやろうと思ったのだが、その口は閉じることなくさらに言葉を紡ぐ。 「そもそも初対面の女の子を相手にして筋肉の付き方なんて見るわけないじゃない。それもこんなに可愛い私なのよ、絶対見惚れてたのよ。ね、あなたもそう思うでしょ?」  唐突に距離を詰められ同意を求められた狗神はしどろもどろになりながらも、 「え、あ、うん、そうだな。俺にもそんな風に見えたかもな」
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