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と、なぜか同意をしていた。それよりもさっきまでとミヤの態度が違い過ぎないだろうか。
「そうよねそうよね、あれは絶対むっつりスケベってやつよね」
「そうだな。確かに言われてみれば段々そう見えてきた」
二人は段々と盛り上がっていき勝手な妄想で俺の人物像を塗り替えようとしていた。盛り上がる二人を横から眺めながら、俺は沸々と怒りがこみ上げてくるのをはっきりと感じていた。今にも崩れんばかりに不安定な笑顔を浮かべながら、強く握りすぎて震える拳を近くにあった壁の残骸に叩きつける。煉瓦でできていたらしいそれは派手な音と共に砕け散る。それと共に二人の動きがピタッと止まった。そんな二人に一言だけ声をかける。
「お前ら、一度殴られてみるか?」
「……あ、いや、その、遠慮しとくわ」
「……なんか、ごめんなさい」
こうして、俺たちは三人で下層役場に向かうこととなった。
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