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お客さんのお眼鏡にかなう宝玉もいくらかあるんじゃないか?」
「ふむ、そうだな」
店の棚には外では手に入らなかった宝玉も数多くある。酸、岩、氷等々、特に鉄の宝玉なんかは前から欲しかったものの一つだ。しかし、最大のお目当てである六大社の宝玉がどこにも見当たらない。
「六大社の宝玉はないのか? できれば風のやつが欲しいんだが」
そんなことを言うと店主は急に笑い出す。
「はっはっは、六大社の宝玉が欲しい? そりゃあ、無理ってもんだぜお客さん。六大社ってのが何か知ってるか? 雨、雷、風、火、地、光を司るこの世でもっとも大きな社のことだ」
「無数にある世の理、それらを司る社、そしてその中でもとりわけ力の強い六つの社、それらをまとめて六大社。そうだろう?」
「なんだ知ってるのか。ならそんなところの宝玉がこんな下層に出回るわけないってわかってくれよ」
確かに、六大社の純正の宝玉が下層にまで置いてあるとはこちらも思ってはいない。
「しかしなあ、出来損ないぐらいは置いてるんじゃないのか?」
「……ほう、出来損ないか。確かにないこともないが」
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