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「ん、ああ。そいつはこないだ売れちまったな。結構な貴重品だからなかなか入荷もしねえんだよ」
「そうか、それは残念だ」
便利だから欲しかったんだが売れてしまったのなら仕方ない。そう思い結局、肉と煙の宝玉を手に取り店主に差し出した。
「おいおい、なかなかいい目してんな。この鉄の宝玉なんか方々を駆けずり回って手に入れた珠玉の一品だったんだがなあ。それで鉄と煙と肉、三つで金六枚分か。かー、まさかこいつを金貨四枚で売ることになるとはな」
「おいおいあんたが言い出したことだろ。金貨十枚もちゃんとあるんだからそこはちゃんとしてくれよ」
そう言って懐から金貨を十枚取り出し台に並べる。
「わかってるって、男に二言はねえよ。そら、全部持ってきな」
そう言って差し出された四つの宝玉を受け取り革袋に入れる。袋の中は宝玉の輝きでなかなか雅な色合いになっており、それだけでもいい買い物をしたと思えた。
「なかなかねえ出物だからな、大切に使えよ」
そんな声を背に受けて店を出て行った。
金もだいぶ使ってしまったことだし仕事を探そうと周辺をうろついていると、仕事のありそうな場所を見つけた。
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