後篇

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「当たり前だ。こんなことは本気でなければ言う意味ないだろ」 「…あは。知ってますよ。主将さんは真面目で誠実な人ですから」  僕の切り返しに咳払いをする主将さんが、 なんだか可愛く思えた。  でもやっぱり気になることが一つ…。 (どうして機嫌悪かったのかな。聞きたいけどこの雰囲気を壊すのは気が引けるし…)  もどかしい気持ちを抱えたまま 主将さんを見ていると、 僕の視線に何を言わんとしているのか気付いてくれたのか 主将さんが肩を竦めた。 「あー……本音を言うと、俺の態度のことは忘れてくれたら有り難いんだが…」 「無理ですよ。僕の好きな人のことですから」 「…そう…だな…」 「そうですよー」  困ったように眉尻を下げながらも、 口元に拳をあてがい照れた様子の彼の隣で、 僕はニコニコと先を促す。  そして、 打ち明けてくれる主将さんの言葉に、 僕は静かに耳を傾けた。
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