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「当たり前だ。こんなことは本気でなければ言う意味ないだろ」
「…あは。知ってますよ。主将さんは真面目で誠実な人ですから」
僕の切り返しに咳払いをする主将さんが、
なんだか可愛く思えた。
でもやっぱり気になることが一つ…。
(どうして機嫌悪かったのかな。聞きたいけどこの雰囲気を壊すのは気が引けるし…)
もどかしい気持ちを抱えたまま
主将さんを見ていると、
僕の視線に何を言わんとしているのか気付いてくれたのか
主将さんが肩を竦めた。
「あー……本音を言うと、俺の態度のことは忘れてくれたら有り難いんだが…」
「無理ですよ。僕の好きな人のことですから」
「…そう…だな…」
「そうですよー」
困ったように眉尻を下げながらも、
口元に拳をあてがい照れた様子の彼の隣で、
僕はニコニコと先を促す。
そして、
打ち明けてくれる主将さんの言葉に、
僕は静かに耳を傾けた。
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