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「美味かったに決まってるだろ」
彼のふと浮かべられた笑みが、僕の心を和ませる。
僕が作ったスイカが原因で、
主将さんがヤキモチを焼いてくれた事は、
一生忘れられない大切な思い出だ。
「今度はサツマイモをテニス部のコに届けることになっているんですけど…、大丈夫ですよね?」
「ああ、今度は大丈夫だ。…けど、安易に女子の部室に行くもんじゃないぞ」
「ですよね…気をつけます」
あの時、
テニス部の女の子と話しているのを主将さんが偶然見かけて、
僕の彼女だと勘違いをしたらしい。
(でも、それだけで僕の彼女って思うなんて…意外と思い込みが激しいよね、この人は)
クスリと小さく笑いながら足元の土をぽんぽんと撫でる。
「そうだ!今度サツマイモでスイートポテト作ってきますよ!…主将さん、食べてくれますか…?」
「…甘さ控え目なら」
「あはは、分かりました。頑張りますね!」
不意に間近で視線が重なれば、
恥ずかしくなってほぼ同時に視線を逸らす。
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