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「大ちゃーん!」
翌日の月曜日の放課後。
いつもの待ち合わせ場所に立つ大ちゃんに手を振る。
「昨日は楽しかったですね」
「そうだな。…ちゃんと食べたぞ」
「ん?」
「お前のチョコ」
告げて歩き出す大ちゃんの背中を、
僕は照れ笑いを浮かべて追いかけた。
「あの量を一日で食べ切ったんですか?」
「いや、それはさすがに無理だが、全種類を一つずつ食べた。どれも美味かったぞ」
「全種食べられたなら良かったですね!これで野菜克服に一歩…ううん、十歩は前進です」
「十歩か…俺頑張ったな」
「はい!偉いですねーっ。頭よしよししてあげましょうか?」
「……また今度な」
拒否しない辺り嬉しくもあり、
このまま乗っかってくれてもいいのにと思う気持ちもあってむず痒い。
「あ!大ちゃんにもおすそ分けです」
カバンから取り出した小さな包みを、
大ちゃんの手にポンと乗せた。
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