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「サットー様、ミキ ルーズベント スペンサーと申します。」
にこりとも笑わずに誰よりも美しいお辞儀をする彼女は人形のようで怖かった。
「ミキか、うむ…ロベルト彼女は最年少で卒業した天才だろう?なぜこんなところに連れてくる?」
「何故だと思いますか?」
…ロベルト、ここで私は目の前の胡散臭い男が対シャドウをまとめあげる総司令であると気が付いた。そして、何故この少女がここにいて人形のようであるかも悟ったのだ。
「お前は哀れじゃのう」
そう言いながらサットー様がミキと言う少女の目線まで座り込んでその長い銀髪を撫でたのを覚えている。そしてその後に少女が冷えきった声で、
「なら、優しく抱いてよ。ど」
と、言ったこともだ。きっと一生忘れられないだろう。
それと、同日にユリアが恋をしたのも何かの運命だったのかもしれない。
兎に角私達一族が彼女を今の彼女に変えたのだと思った。
なぜならこの日から丁度半年後彼女は社交界のトップへと君臨し、今もなお君臨し続けているからだ。
ただし、彼女はいつも深い悲しみを押し殺して社交界にいる。
いつも、彼女は彼を追っているのだ。
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