第1章

7/7
前へ
/7ページ
次へ
 意識を取り戻した時、俺は貴族のような出で立ちの男の前に跪いていた。いや、これはこの国の王だ。そうそう確か魔王がでたとかでないとか……。 「よくぞきた、勇者寝楽之助よ。なんじに魔王討伐の使命を与える。この国の平和を取り戻すのじゃ!」 「はぁ……何というか……」 「これで旅支度を整えるとよい」  俺は国王から銅貨100枚程度受け取った。日本円にして何円くらいだろう?そんなことを気にしていると、俺はあることに気がついた。国王が全く身動きしないということだ。  細かいことは気にせず、衛兵の横を通り過ぎると階段を降りた。 「何だあれは?」  何ということだろうか。上を向くと天井がなかった。空もなかった。俺そっくりの人間が覗き込みながら何かを言っていた。 (これからゲーム実況する。このキャラを裸でクリアさせてみせるぞ!)  どういうことだ?裸って……そう思うや否や俺は勝手に服を脱ぎ始めた。そしていきなり衛兵らと戦闘になった。 「公衆の面前で裸になる破廉恥極まりない男め!」 「いや、これには深い事情があって……」 「これが全てのはじまりだった。」
/7ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加