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その後は何てことの無い雑談をしただけだった。
好きな本は?アイドルとか興味ある?
好きなスポーツは?何か習い事してた?
等々質問責めにあった。
仕事には関係の無さそうな質問ばかりで、この人実は私の事好きなんじゃないか?とバカなことも考えてしまった。
「ミステリー小説をよく読みます。後は…少女漫画も時々」
「へぇ」
「アイドルは好きと言うほどではないですが、歌は大体知っています」
「ふぅん」
「スポーツは全般好きです。
野球、サッカー、格闘技…あっ最近はラグビーも盛り上がりましたね!」
「あ、そうなの?」
「習字、剣道、茶道を習っていました。これを言うと古風な女だって思われるんですよね。全然そんなこと無いんですけどね~」
「そうなんだぁ」
気の無い返事に私のバカな考えは跡形もなく崩れ去った。
そして最後に店長は
「スナックで出会った変なお客さんの話とかある?」
と不思議な質問をしてきた。
「すみません。お客様の話はちょっと…でも、ママの楽しい話ならたくさんあります。」
さすがにお客様の事をペラペラと喋るのは気が引けた為こう答えた。
すると店長は
「そっか。それならいいや」
と素っ気なく言った。口元は笑っているようにも見えた。
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