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「うん。とりあえずこんなところでいいかな。」
回答を拒否したからだろうか?急に話は打ち切られた。
「あ、ハイ!ありがとうございました。」
面接は最後の印象も大切だ。笑顔を見せ頭を下げた。
店長はそんな私を見ながらニヤニヤしている。
「結果は後日にする?それとも今聞きたい?」
予想外の言葉だった。今の時代アルバイトでもこんなに早く合否がわかることはない。
やっぱりダメだったんだ。
「早い方が良いです。」
ダメだとわかっていても、もしかするとと期待してしまう自分がいる。
そして届いた通知を見て絶望感を感じることが在学中何社か面接を受けて味わった。
あんな思いをするなら早くダメだと伝えてほしい。そう思った。
「採用!採用!キミなら大丈夫でしょ」
「え?」
「えっ?って何?不満?」
店長がニヤっとした。
「いえ!ありがとうございます。」
膝に頭が付くのではないかと思うほど深くお辞儀をした。
「あっあのぉ。早速で申し訳無いのですが、派遣スタッフとはどのような仕事をするのでしょうか?」
チラシには詳細は書いていなかったので、ずっと疑問に思っていた。
「そっかぁそれ説明してなかったね。ここに来るお客様の希望に合わせて変身してもらうだけの仕事だよ」
出た!ウインク。
「は、はぁ…」
何を言っているのか理解は出来なかったものの、これ以上寒気を感じることが嫌だったので曖昧な返事をした。
「書類の作成をしたらすぐに郵送するから、それを書いたら持ってきてね。
あと服は用意してあるから好きな格好をしてきていいから」
「わかりました!本当にありがとうございました。」
深く頭を下げた後に扉を開けて廊下に出た。
「やった」
小さく呟いてガッツポーズをした。
これが一週間前の話。
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