第1章

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「なあ忍、 まだ半年あるが、 ニューヨーク行かねえか?」  アズを拾った場所であり、 刺青の世界大会が開かれるニューヨークで仁は世界一の名を獲ってきた。 もちろん次は忍に獲らせるつもりでいる。  突然の打診に驚いたのか、 箸の先からタラの身がこぼれ落ちた。 「は? 何いってんですか仁先生。 俺なんかまだ無理です」 「別に一発で獲る必要はねえだろう。 雰囲気をみて、 世界のやつと語ってくりゃいいさ」  ふっと笑って言えば、 神妙な顔をした忍がじっと見てくる。 「アズも連れて行くぞ。 里帰りもしてないしな」  畳みかければ、 アズを見た忍が仁に向き合った。
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