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――忍、
開け
自分の声が頭に木霊する。
もう十五年になるのに忍の夢を見るようになって眠りが浅くなった。
忍に男を覚えさせたのは刺青を背中に彫ったときが最初だった。
十分に気づかってやったつもりだが、
初めてだからかうまくいかなかった。
だが八年の関係で忍の躰はすっかり馴染んで、
仁が教えることなどなくなっていた。
『んっ……っは…あ…っ』
紫の絹のシーツの上を白い肌をのたうたせ仁の見ている前で後ろをほぐし、
受け入れるための筒をつくる。
若くて白い肌に浮き出た鮮烈な刺青が仁の目を楽しませた。
――指で開け、
両方だ。
俺のはそんなんじゃ挿らねえぞ
言葉どおり受け入れるのは簡単なことじゃなく労り彫りのときは深く傷つけた。
失神した忍を介抱したのは誰でもない傷つけた本人なのだ。
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