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こないだ坊主が労い彫りを試した。
忍がほかの男とヤるなんざいくらでも見てきている。
しかも、
仕向けてきたのは自分だ。
なのに、
あんときばかりは坊主に嫉妬を覚えた。
縦に痙攣する忍をみて、
あの相手は自分だったはずだと忌々しく感じたくらいだ。
「くそったれ」
憤る感情をもてあまして、
情けなさに言葉を吐きだす。
仁は眠れもしないのに再びベッドへと戻った。
翌朝、
だるい身体を起こして作務衣に着替えた。
「あれ? 仁さん早え?」
アズがTシャツに短パン姿でキッチンに立っていた。
「煙草吸ってくる」
「ほーい。
雪でも降んじゃねえ」
皿を片手に持って移動しながらアズがつぶやいた。
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