第1章

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 こないだ坊主が労い彫りを試した。 忍がほかの男とヤるなんざいくらでも見てきている。 しかも、 仕向けてきたのは自分だ。 なのに、 あんときばかりは坊主に嫉妬を覚えた。 縦に痙攣する忍をみて、 あの相手は自分だったはずだと忌々しく感じたくらいだ。 「くそったれ」  憤る感情をもてあまして、 情けなさに言葉を吐きだす。 仁は眠れもしないのに再びベッドへと戻った。  翌朝、 だるい身体を起こして作務衣に着替えた。 「あれ? 仁さん早え?」  アズがTシャツに短パン姿でキッチンに立っていた。 「煙草吸ってくる」 「ほーい。 雪でも降んじゃねえ」  皿を片手に持って移動しながらアズがつぶやいた。
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