企み1 寮長はファンタジーが苦手

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佐野は嬉しそうに手を叩いて何かを呼び出したように剣青年には見えた。 そして…佐野の、お願いね。の言葉が聞こえると… カッパが…人の子の姿になった。 がターンと音を立てて椅子ごとひっくり返った剣青年に、織部は何があったと問いかけた。 あまりの変化に剣青年は答えることが出来ないでいると…佐野はその姿を見てへちまを抱きしめた。 「やったね、成功!」 これで一緒に学校に行けるねとへちまを抱き締める。 『くっ苦しいズラよ~。』 剣青年には、5歳くらいの男の子が甘えている様にしか見えなかった。 さっきまでは…丸いカッパだったのに…。 「お前たち…どういうことかな?」 織部は、剣青年には見えない何かを摘み上げて、問い詰めている様だった。 ヘェ~…フーン…と相槌を打ちながら織部の瞳が剣呑な光を帯びてくる。 そして、その瞳のまま剣青年見た。 「ひぃっ…。」 「何を驚いてるの?ちょっと聞きたいんだけど…アレどんな風に見える?」 目が…目が怖いんだって…。 笑ってないでしょうが!! 剣青年は心で叫びながら見える姿を伝えた。 「佐野さん…に…似てると…でも目とか髪の色が…薄茶で…まるで…。」 誰かさんとの子供みたいな…と心で呟き隣を見れば…。 見えない何かに説教する…織部が…。 「ちょっと、お前たち…僕が見えないんじゃ意味なくない?」
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