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相変わらず、何かを掴んで揺すっている織部の手を、佐野は包み込む様に握りしめた。
そして…
「冬也…この子たちのせいじゃないよ。へちまくんをへちまくんのまま見てるなら…それは…冬也がちゃんとへちまくんをカッパのままで良いって、認めてるってことなんだよ。」
にっこり笑ってささやく。
指先からだんだんと赤くなる織部を見て、剣青年は不思議な感動を覚えていた。
概ね、爽やかに笑いながら背後に真っ黒なオーラを、まとっているこの男が…
まるで…ウブな少年の様に頬を赤く染めているとは…
明日は嵐だな…。
剣青年はカバンに雨ガッパを入れておこうと心に決めた瞬間でもあった。
5歳の子供にしか見えないカッパは嬉しそうに織部に飛びつき、
『織部~本当はへちまが好きなんズラねー。』
「ちょっ、僕にその合成皮っぽい身体をつけないでくれる!」
ギャァギャァと騒ぐ2人と、それを温かい眼差しで見つめる佐野…
もはやアットホームな家族団欒ではないだろうか…。
ドロドロした緑の物体を飲み干した、剣青年は…
とりあえず、カッパとの日常がなくなった事に安堵しつつ、自室に戻る事にした。
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