織部先生は今日も企む

企み2 カッパとアドベントカレンダー

「それから…へちまくんはこんないい子になったの？」

中庭の奥にある畑にルッコラの苗を植えながら佐野さんは尋ねたズラ。
へちまは、エヘンと頷いて

『そうズラよ、まさ爺のお手伝いをたくさんしたズラ！』

へちまいい子ズラ。
でも……まだ一度もサンタさんからプレゼントもらってないズラ。
寒さで赤くなった手にはぁーっと息を吹きかける。
少しホカホカ…だけど…冷たいズラ…。

へちまの冷たい手が、温かい手に包まれた。
上を向けば、佐野さんが優しく笑ってるズラ。
少し…ホカホカ…。

「ねぇ…へちまくん、クリスマスの日までにもっといい子になっちゃおうか？」
『もっといい子ズラか？』

佐野さんは微笑みながら頷いて、お部屋に戻ったら出してあげるね。
って、へちまの手を引いてくれたズラ。