序幕 カッパ、届きました

2/7
前へ
/75ページ
次へ
成葉家の別荘勤めのメイドさんたちは、しゃがみこんで真剣に相談していた。 「どうしましょう…まさ爺が…。」 「えぇ…持病のぎっくり腰がひどくなって…」 「娘さんと同居することになったんですって…。」 ヒソヒソ…コソコソ… メイドさんたちの心配事はただ1つだった。 誰が、まさ爺の居候を引き取るか! メイドさんたちにとっては由々しき問題であった。 何故なら… まさ爺の居候は… カッパだったからだ。 「へちまちゃんが嫌いなんじゃないんだけど…。」 「そうなのよ…へちまちゃんは悪くないの…。」 メイドさんたちの思いは一緒だった。 爬虫類(?)とは暮らせない! 「だって…ツルツルしてるのよ!」 「触るとひんやり冷たいのよ!」 「何よりも、哺乳類じゃないし!」 成葉のメイドさん達は…モフモフケモミミ推奨派だった。 そんな悲劇のメイドさんたちに一筋の光が見えてきた。 それは、 別荘付きメイド長からの鶴の一声 「へちま様の引き受け先が決まりました!」 メイド長は地図を広げてただ一点を指差した。 引き取りは、萌伏学園…新聞部室(とりあえず)だった。
/75ページ

最初のコメントを投稿しよう!

86人が本棚に入れています
本棚に追加