86人が本棚に入れています
本棚に追加
成葉家の別荘勤めのメイドさんたちは、しゃがみこんで真剣に相談していた。
「どうしましょう…まさ爺が…。」
「えぇ…持病のぎっくり腰がひどくなって…」
「娘さんと同居することになったんですって…。」
ヒソヒソ…コソコソ…
メイドさんたちの心配事はただ1つだった。
誰が、まさ爺の居候を引き取るか!
メイドさんたちにとっては由々しき問題であった。
何故なら…
まさ爺の居候は…
カッパだったからだ。
「へちまちゃんが嫌いなんじゃないんだけど…。」
「そうなのよ…へちまちゃんは悪くないの…。」
メイドさんたちの思いは一緒だった。
爬虫類(?)とは暮らせない!
「だって…ツルツルしてるのよ!」
「触るとひんやり冷たいのよ!」
「何よりも、哺乳類じゃないし!」
成葉のメイドさん達は…モフモフケモミミ推奨派だった。
そんな悲劇のメイドさんたちに一筋の光が見えてきた。
それは、
別荘付きメイド長からの鶴の一声
「へちま様の引き受け先が決まりました!」
メイド長は地図を広げてただ一点を指差した。
引き取りは、萌伏学園…新聞部室(とりあえず)だった。
最初のコメントを投稿しよう!