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へちまの引っ越し準備は、メイドさんたちの手によりスムーズかつ迅速に行われた。
カッパであるへちまの荷物がキュウリだけだというのもメイドさんたちの作業効率をあげてくれていた。
発泡スチロールの箱2つ。
それがへちまの荷物とへちまの乗り物であった。
「へちまちゃん…気をつけてね。」
「あっちで幸せになるのよ。」
「たまには、遊びに来てください。」
メイドさんたちの暖かな見送りに、へちまは元気に笑ってサヨナラを言った。
「みんな、ありがとズラ!行ってくるズラ!」
へちまを入れた発泡スチロールの蓋がしっかりと閉じられ…
ガムテープでしっかりと封をされた。
箱には…空気穴とこわれもの注意のシール。
そして、
メイド長が天地無用のシールを貼り、へちまの旅立ちの準備は整いました。
空気穴と2枚のシールはみんなの思いやり。
ピンポーン
旅立ちのチャイムが別荘に響きました。
へちまの旅立ちです。
「ちわー、成葉印の白鳥便でーす。」
屈強な男が現れた。
「この2点をクール便でお願いします。」
軽々と2点の荷物を抱えあげ、男は去っていった。
メイドさん達は心の中で唱えた…
へちま…フォーエバー…
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